革財布のエイジングを楽しむために知っておきたいこと【メンズ財布】

革財布の醍醐味といえばエイジング(経年変化)。ツヤツヤの飴色になった革製品への愛着は尽きることがありません。

革財布のエイジング方法や、革の種類によって経年変化の違いをお伝えしたいと思います。

エイジングする革財布としない革財布

ブライドルレザーの経年変化

出典:amtraq.com

革のエイジングとは、色・艶・形状が経年変化していくことを言います。着色などをしていないヌメ革はマットな質感のベージュ色ですが、時間の経過といっしょに茶色く艶のあるアメ色にエイジングします。

しかし全ての革が上手くエイジングするとは限りません。革や処理の種類、普段の使い方によってエイジングした革の表情が変わってきます。

このページではエイジングする・イジングしない(しにくい)革についての情報をお知らせします。

今持っている革財布がどのように経年変化をするのかあらかじめ知っておきたい人も、これから革財布を買おうと考えている人も参考にどうぞ。

革のなめしとエイジング(経年変化)

植物タンニンなめし

出典:muuseo.com

革は動物の皮膚から剥いだ皮をなめしてつくられます。皮のままだと乾燥すると固くなり脆く、脂やたんぱく質が残っているとやがて腐ってしまうので、毛や付着物(脂やタンパク質)をきれいに取らないといけません。なめし処理をすることで、付着物を落とし柔らかくて丈夫な革になります。

なめしは、革の性質を左右する重要な要素なので、エイジングに大きく関係してきます。エイジングを楽しむのに向いていない”なめし処理”もあるので、なめしの種類には十分注意しましょう。

代表的な3種類の”なめし”と特徴

なめしの種類植物タンニンなめしクロム鞣しコンビネーションなめし
エイジング(経年変化)する◎しない×する△
キズキズつきやすい×キズつきにくい◎キズつきにくい〇
水分弱い(シミになる)はじくはじく
メンテナンス必要不要必要
革の質感ハリとコシがある軽くてしなやか両方の革質をあわせもつ
形状変化するほぼしないほどほどにする
着色革の色に左右され色ムラがある均一に着色され色落ちしない様々
価格高い安い様々
原料植物タンニン塩基性硫酸クロム左記両方

1.植物タンニンなめし◎

エイジングを楽しむなら植物タンニンなめしの革がおすすめです。

タンニンの原料は植物で、タンニンとは植物に含まれる渋のこと。古代エジプトから世界各地で行われてきた古い歴史があります。

植物タンニンなめしの特徴1:エイジングを楽しめるがメンテナンスも欠かせない

タンニンでなめした革は、経年変化によって色・艶・質感が深まります。汚れや傷がつきやすく水濡れでシミになりやすいという弱点もあるので、たまにオイルを塗るなどメンテナンスが大切です。

植物タンニンなめしの特徴2:形状が変化する

植物タンニンなめしの革は可塑性とい特徴もあります。革財布にいれたカードやコインなどの膨らみによる形状変化がエイジングによってそのまま残っていきます。

可塑性とは
形状が変化していく性質のこと

植物タンニンでなめした革は、時間の経過とともに革に含まれる油分が抜けたり繊維が圧縮していくので、薄くなっていきます。

植物タンニンなめしの特徴3:時間と手間がかかる分、値段が高い

タンニンを革の奥深くまで染み込ませるために30以上の工程を経るため時間と手間がかかります。そのため革製品の価格は高くなってしまします。

おすすめはヌメ革

ヌメ革の財布

出典:shizuoka-rafix.jp

着色せず、タンニンなめし処理だけを行った革をヌメ革とよび、革本来のナチュラルな見た目で、エイジングを楽しみたい人はヌメ革を使ってみるといいでしょう。

2.クロムなめし×

クロムなめしの革

出典:blcchemicaltesting.com

クロムなめしの特徴は、伸縮性と耐熱性、そして軽量で、キズと水に強い(水を吸わない)こと。革の保存性(形状や色が保たれる)が高いので、経年変化がしにくく、エイジングには向いていません。逆を言えば、型くずれや色落ちがしにくく、丁寧に扱えば新品のようなきれいな状態をキープできます。

クロムなめしの特徴1:価格が安い

塩基性硫酸クロムという化学物質でなめす方法で、少ない工程(短期間)で頑丈な革に仕上げることができます。

クロムなめしの革は大量生産ができ、そのぶん価格も安くなります。

クロムなめしの特徴2:鮮やかな色に仕上がる

革本来のナチュラルな風合いは失われてしまいますが、革に色が入りやすいのもクロムなめしの特徴。

革製品をビビットな色合いに仕上げられます。

クロムなめしの特徴3:形状変化せず変色しない

クロムなめしの革は、形の変化や色落ちや変色がないため、車のシートやソファなど、摩擦や圧力に対する耐久性が必要な部分の素材につかわれることが多いです。

3.コンビネーションなめし△

代表的な2種類を紹介しましたが、最近では、植物タンニンとクロムの両方を使ったコンビネーションなめし(混合なめし)というのもあります。こちらは、両者のメリットとデメリットをかけ合わせたなめし方もあります。

悪く言えば中途半端・・・

軽量でキズに強く経年変化もするコンビネーションなめしですが、丈夫さはクロムなめしよりも劣り、経年変化も植物タンニンなめしよりしにくいです。そのため、エイジングを楽しみたい人には、タンニンなめしが断然おすすめです。

革の3種類の着色方法と、色の変化(エイジング)の違い

染色風景(モロッコ)

出典:globaltravelerusa.com

革の着色方法でも、エイジング(色の変化)のしやすさが違ってきます。

革の着色の種類は以下の3種類に分けられます。

  1. 無染色(ヌメ革)
  2. 染料着色
  3. 顔料着色

エイジングしていくのは、前述した染色処理をしていないヌメ革と、染料で着色した革。顔料で着色した革はエイジングには向いていません。

その理由と特徴をご紹介します。

1.着色無し(ヌメ革)〇

出典:www.british-made.jp

前述しましたが、なめし以外の処理をしていない革をヌメ革と呼びます。ヌメ革の特徴は革そのもののナチュラルなエイジングが楽しめること。日々の使い方ではっきりとエイジングしていくのがヌメ革のいいところ。

ヌメ革は水や傷に弱いので、定期的にメンテナンスをして、丁寧に使ってあげることが大切です。

2.染料仕上げの革〇

yuhakuの染料仕上げの革財布

出典:simple-wallet.net

染料仕上げとは、色を革に染み込ませていく着色方法。革本来の表情や質感を殺さずに着色できます。

染料仕上げの革は透明感があると表現され、革に薄く化粧をしたような状態です。そのためエイジングによって色の深まりやツヤが出てきます。

値段は高価

革は、動物が生きていた時にできたのキズや血管の痕もそのまま残ります。それらが少ないきれいな部分を革財布にすることが多いので、値段は高価になりがち。ほとんどの場合、職人さんが手作業で染めていくことも値段が高くなる要因です。

キズ・水に弱く、色移りしやすい

染料仕上げの革は傷がつきやすく水に弱いうえ、色移りしやすい特徴があります。しかしその弱点もメンテナンスや、経年変化によって味に変わるので、使い手の個性を主張するのにピッタリの着色といえます。

染料仕上げの革の色移りや脱色を防ぎたい人は、アリニンクリームという保護用クリームで表面をコーティングしてあげましょう。

3.顔料仕上げの革×

顔料で着色する方法は、革に色を染み込ませる染料仕上げとは違い、顔料を革に塗り重ねて銀面を色でコーティングしてしまいます。そのため、革のエイジングが起こりません。

ムラなく着色できる

顔料は、革にもともとあるキズやシミなどの汚れを覆い隠し、色ムラがない均一な仕上がり特徴です。クロムなめしのように安価に大量生産ができるのがメリットです。

水や汚れに強い

顔料は水に溶けないので水に強く、汚れてもふき取るときれいになります。色移りしないので、バッグなど衣服に直接触れる革製品に適しています。

エイジングにおすすめの革財布ブランド4選

革財布のエイジング(経年変化)にはメンテナンスが大切

エイジングする革しない革の情報に続いて、上手にエイジングをしていくために大切なことをお伝えします。

革財布のエイジングは単に時間を費やせば良いわけではありません。間違った使用方法やメンテナンスを怠りで、経年変化ではなく劣化になってしまうからです。

革財布は毎日使ってあげる
革財布を大事にしたい思いから、ここぞというタイミングだけ持ち歩いて普段はケースにしまって引き出しの中にある・・・。几帳面な性格の人はこのように使ってしまいがちですが、革財布は普段の生活で使ってあげることで、エイジングが進んでいきます。手の油によって自然な使用感が革の表情となっていくのも、革財布の楽しみ方の一つ。

革財布のメンテナンス(手入れ)方法

革財布をきれいにエイジングさせるために欠かせないのがメンテナンス。エイジングによる色の変化を進めたり、キズや色落ち(シミ)などをリカバーすることができます。

メンテナンスの時期は革がかさついてきたら。メンテナンスをしないのは良くないですが、し過ぎも革のエイジングを遅らせてしまうことがあるので、ちょうどよい頃合いで行います。

メンテナンスに使う道具
  • 革用ブラシ
  • 革用オイルorクリーム
  • 革用クロス(柔らかい布)

注意点は革財布の手入れに使うクロスやブラシは革専用柔らかいものを用意しましょう。固い布やブラシは革を傷つけてしまったり、クリームを均等に塗れずに色ムラやシミをつくってしまうことがあります。メンテナンスに使う布は革専用のクロスか、コットン素材の柔らかいものを使います。

レザー用オイルまたはクリームにはいくつか種類があります。牛革や馬革専用であったり、ヌメ革用、染料仕上げ用など、いろんなの種類のオイルやクリームがあるので使い分けがベスト。革畏怖の購入前に見た目だけでなくどんな材料でどういう風に仕上げてある革なのか確認して持っている革財布にあったクリームを使ってみましょう。

革財布のメンテナンスの順序
  1. ブラシでほこりを落とす

    革財布についたほこりを優しくまんべんなくブラシで払い落としていきます。縫い目や凹凸の多い部分はほこりが溜まりやすい部分をブラッシングしましょう。このとき、強くこするのは厳禁です。

  2. オイル(クリーム)を布に少量つけてから塗り込む

    革に直接オイル(クリーム)をつけるとシミになってしまうことがあるので、布につけてから薄く広げるように塗ります。オイル(クリーム)を塗る量はメーカーによって変わってくるかと思いますが、基本的に米粒~1円玉の大きさくらいの少量をとり、円を描きながら手早く広げるように塗っていきます。

    革によっては色落ちしたり、オイルと相性が悪かったりするので、初めて使う場合はクリームをほんの少しだけ付けて目立たない部分で試し塗りしてから使用しましょう。
  3. 日陰で干してから乾拭きをする

    オイルを塗ったあとはすぐに乾拭きしたくなりますが、革に馴染ませるために、こちらもオイルのメーカーによりますが、1時間ほど日の当たらない場所で乾かします。
    日陰で干すのは、日光の紫外線でオイルが変質してしまうことがあるから。色ムラの原因になってしまうから。

    乾かし終わったら柔らかい布でやさしくふき取ってメンテナンスは完了です。

ヌメ革は使用前に日光浴をすると日焼けしてエイジングが進む

ヌメ革の日光浴

出典:77f.info

新品のヌメ革のエイジングを早める方法としておすすめの方法として、日光浴があります。

革を日光浴をさせるとタンニンによって日焼けが起こり色が変化します。また日光の温度によって革の内部の油分が溶け出しツヤがでます。

まんべんなく日光を当てないとムラになるので注意

この方法はムラになることもあるので注意が必要です。

また日光浴させる時間は使用者の好みによって違います。なるべく早くエイジングさせたい人は試してみると良いかもしれませんが、あくまで自己責任で・・・。

時間の経過で部分的に日陰なると、ムラになるので日向にずっと放置するのは避けましょう。

エイジングの失敗を避けるために気を付けること

エイジングする革財布は、水に弱かったり型くずれしやすかったりととてもデリケート。使い方や不慮の事故によって台無しになってしまうことも・・・。

革財布のエイジングでどんなことに気をつければいいかまとめてみました。

使い方で気を付けること

詳しく後述しますが、革財布のエイジングで気を付けなければいけないのは使い方。

エイジングする革は柔らかく、圧力や水濡れでブサイクに変形してしまうことがあります。

水や圧力はNG

お尻のポケットに入れてそのまま座ってしまったり、雨の日に濡らしてしまうことは型くずれを起こしてしまうのでNGです。持ち歩く際はカバンに入れて革財布を保護してあげましょう。

革財布を水に濡らしてしまうとシミやシワの原因になるので、雨の日や飲食時の水分には気をつけてください。

尻ポケは型くずれと色落ちの原因に

お尻ポケットに革財布

革財布をお尻のポケットに入れていると、汗の水分で色落ちしたり変色してしまいます。また、ポケットに入れたまま座ってしまうと、体重によって変形してしまいます。

対処法としては、革財布はカバンにいれて持ち運ぶこと。

急いでいるときにお尻のポケットに財布をしまう癖のある人は要注意です。

シミの原因と対処法

革のシミ

出典:motostyle.jp

水に濡れた革財布をそのまま放置してしまうとシミになってしまいます。また、オイルやクリームの塗りすぎもシミの原因に。雨の日や暑い日の汗、食事中は水分が革につかないように注意しましょう。

水が原因のシミの対処法

水濡れでシミになってしまったら、荒療治としてシミの部分をぼかすように周囲を水拭きしてから、全体にオイルを塗ってカバーします。この方法は素早く丁寧に行わないと取り返しがつかないことになってしまうので、応急処置として行いましょう。

一番の対処法は水に濡らさないこと。濡れてしまってもすぐに乾いた布でふき取ることです。

色ムラの原因と対処法

染料は水に溶けやすいため、染料で着色した革財布は色落ちしやすくムラになってしまうことがあります。色ムラもシミと同じように水分の付着が原因で起こります。

色ムラや脱色の予防法

予防策として、セミアリニンクリームという革の表面をコーティングしてくれるクリームで、あらかじめメンテナンスしておくことです。

革財布のエイジングまとめ

革財布のエイジングには使い手の愛情と革に関する知識が少し必要だとお分かりいただけましたか?経年変化がただの劣化にならないように、まとめておくのでおさらいしましょう。

エイジングする革
  • 植物タンニンなめしの革
  • 染料仕上げの革
  • ヌメ革
エイジングしない革
  • クロムなめしの革
  • 顔料仕上げの革

エイジングするしないに関わらず、革は使い手の愛情にこたえてくれる素晴らしい素材です。どんな革財布でも大切に使ってあげましょう。